選挙の時期が近づいています。今回は、選挙民の選挙に対する意識と、自分の代理として国や自治体の経営をまかせる人物をどう選ぶかについて、考えてみたいと思います。
まずは選挙に対する意識ですが、投票は果たして国民の義務なのでしょうか。現状では、大多数の国民がそのような認識を持っているのではないでしょうか。もし、そうであれば、国民の大半は選挙の投票用紙がくるから、それに応じて投票所に足を運んでいることになります。いわば受身の立場です。これでは、国の経営に参加しているとはいえないと思うのです。さらにこの認識が、投票率低下の一因になっていると思えて仕方がないのです。
私は若い頃、神奈川県の某市に住んでいたことがあります。そのときに投書と親書には違いがあることを認識させられる経験をしました。
当時住んでいた貸家周辺は下水設備が不備があり、また周辺には治安上の問題もありました。そして時を同じくして、追加の市民税の納付書が送られてきました。私は周辺環境がおろそかにも関わらず追加の税金を要求することに納得がいかなかったので、当時の市長宛に手紙(親書)を送ることにしました。下水の状況、治安その他地域環境についての質問に対して文書で回答を求め、回答がない限り追加市民税は払わないという内容の手紙を書いたのです。
最近、国内メーカーの製品において、利用者の安全に十分な配慮がなされていないケースが報道されています。物言わぬ日本人のことですから、重大事故につながった場合でも、一過性のニュースとして、その後立ち消えになることも多いでしょう。
かつて、ハーバード大学の教授だったロバート・カッツ氏は、ビジネス人に必要な3つの条件に、「コンセプチュアルスキル」、「テクニカルスキル」、「ヒューマンスキル」を挙げました。この考え方は、今日でも人材育成の基本として引用されています。しかし、このうちのコンセプチュアルスキルの定義が曖昧で、十分に活用されていなかったり、この概念そのものを除いて、テクニカルスキルとヒューマンスキルだけを必要条件とする場合もあるようです。