10数年前にある日本の国際企業の社長と車中で話す機会がありました。私の友人であり、今は亡きこの社長が、突然、「責任を取るとは、どのように解釈したらいいのか」と、尋ねてきました。詳しく聞いてみると、彼の会社の有力な事業部長が、新規事業の提案を持ってきた際に、「仮にこの事業が失敗したら責任をとります」と、言ったそうです。私の友人であるオーナー社長にとって、責任を取るということが、事業が失敗した場合に会社に与えるであろう損害を賠償することまで含むかどうか、ということが大きなポイントでした。
先月の安倍総理の訪米は、日本の報道を見る限り、大成功だったと評価されているようです。しかし、ある報道番組で、「テレビジャーナリズムの最大の問題は、言論統制が敷かれていること」という発言を聞きました。これは、極論かもしれませんが、実際に番記者が報道内容を協議して、発信してきたということは否定できないのではないでしょうか。今回の安倍総理訪米の評価も類似の“協議”からのアウトプットではないかと、勘繰りを入れてみたくもなります。
日本では今、様々な新しい動きがあります。20代、30代で起業し莫大な富を築く若者、規制緩和を最大活用して利益の拡大のみを追求する経営者、キャリア組から民間へ転身する官僚、カタチを変えた天下りを残そうとする役人、マネーゲームのみで蓄財に走る個人投資家など、挙げ始めたらキリがありません。また、このこと自体は、非難される行為ではないという考え方もあるでしょう。
先日、日系米国企業の本社で外国人マネージャを対象に、EM法を用いたWORK-OUTを実施しました。私がコンサルタントとして、2日間にわたり指導した結果、数々のリスクへの対策、当該事業部門が抱える諸問題を行動課題として上げて優先順位を設定するなど、非常に実践的なアウトプットが得られ、好評でした。
日米平和条約と安全保障条約が1951年に締結されて、56年になります。その間、西洋社会のリーダーシップを執る米国と、非西洋社会で唯一先進経済国として存在してきた日本の間には多くの紆余曲折がありました。
また、最近では中国が経済面で飛躍的な発展を遂げ、その世界の中でのプレゼンスは日に日に高まっています。私はそれに比例して、日本の対米関係、つまり日米同盟の重要度も増していると思うのです。