飯久保廣嗣 Blog

先日ブログで、公僕について触れましたが、日本では、「公僕」と「公職に就く人」の定義の違いを意識する人は少ないようです。広辞苑によると、公僕は、Public Servantsとして、「公衆(国民)に奉仕するもの。公務員などの称」、また公職の定義は、「公務員・議員などの職務。公の務め」とあります。公職に就く人のほうが範囲が広いようですが、この違いを認識されている方はあまりおられないと思います。

このような曖昧さが残る背景には、初中等教育で、公僕、公職、公務員、国会議員などの役割や責任について、あまり教えられていないことが挙げられるのではないでしょうか。共通にいえることは、「公に奉仕する人」の定義や、その意識の欠如が、社会に大きな影響を与えています。公僕や公職に就いている人たちの、「公に対する奉仕という精神の希薄化」が問題なのです。

ところで、米国の上院・下院議員の報酬がどの程度なのかを友人に聞くと、日本の「歳費」に当たる年棒は10万ドル程度とのことでした。それに対して、日本の国会議員や代議士は、経費も込みで約3500万円に上るといいます。この妥当性について、評価する立場にはありませんが、公に使える、奉仕するという点から見ると、問題が残るのではないでしょうか。

また、主要国に赴任する米国の民間起用の大使は、財力のある人が任命される場合があるそうです。これは、赴任先で政府の予算内で活動ができないとき、公に奉仕する精神から、自腹で対応することもあるようです。

さて、今回は最後に訂正があります。先日のブログで、Public Servantsの中に国会議員を入れましたが、これは誤りでした。正確には、国会議員と代議士は公僕ではなく、選挙を経て公職に就く人たち。ほかに都道府県・市町村などの議員および長(知事・市町村長)も公僕ではなく、公職に就く人たちです。こうした正確な定義を(私を含めて)国民が広く認識することも、政治に関心を持って参加する第一歩となるのではないでしょうか。