NHKが民放と同じように、お笑いやドラマを盛んに放送している。ドラマはまあいいだろう。しかし、お笑い番組やお笑いタレントを使った情報番組はいかがなものだろうか。
権威ある英国の国営放送BBCが、政治や社会問題など、国家の存続や国民生活に関わる番組に、お笑いタレントを起用することがあるだろうか。また日本のような低俗なお笑い番組を放送することがあるのか。考えにくいと思う。
これは、熟年層に特有な考え方……と思いきや、若い世代の中にも、NHKの世俗化に疑問を持つ人がいた。実は今、私はヒザの手術で都内の病院に入院中だ。その病院の献身的な若い看護師(婦)から次のような意見を聞くことができた。
看護師(婦)は、「NHKがお笑いを前面に出すようになったので、私は受信料を払いません」と、言っていた。理由は、「NHKが良識ある番組を提供することを期待しているから。これは多くの国民の想いではないか」ということだった。
私はこの言葉を聞いて、救われたような気がした。それは、社会に世代を問わず、良識(Good Common Sense)を持つ人がいるということがわかったからである。
NHKの存在価値を、今一度問いたいものである。