飯久保廣嗣 Blog

日本と日本人の相対的な存在が、国際社会で低下している。そのこと事態に目くじらを立てても仕方がないかもしれない。しかし、その背景の1つが、「グローバルな問題解決を関係諸国と対等に討議・交渉する能力」が劣っていることにあるならば、そのまま放置すると大変なことになる。

西欧はもとより、アジアやインドにおいても、グローバルな問題解決には、「①智力(conceptual skill)」、「②インテグレーションされた英会話力」、が必要となるだろう。

そこで今回はそのうち②について、今日の日本人の英会話力をどのようにして強化したらよいかを述べてみたい。以下がその解決策の一部である。

1.英会話は、「自分で話すことより、相手(外国人、以下同)に話させることが重要」である。自分が話さなければならないという「呪縛」から自分を開放する。そのためには、「気の利いた簡単な質問」を用意しおくことがポイントとなる。

2.相手の回答中に理解できないことが出てきたら、遮ってでも質問する。そのためには、「自分の会話のペース」に相手を巻き込み、主導権を握るのを意識することが肝心となる。

3.初めから相手に対し、「ゆっくり話せ」、「難しい言葉は使うな」、などと、釘をさしておくこともポイント。

4.英語のネイティブ以外の人間と英語で話すことも心がける(例えば、中国人、インド人など)。「英語はネイティブの特権」という呪縛を解く。

5.自助努力としては、「自分の関心事について、自分で英訳した文章を作り、暗記すること」が挙げられる。この場合、英語として文法上で完璧である必要はない。意味が通じればよい。長さは10~15単語(One sentence)程度で充分。

6.相手を圧倒できる格調の高い英語のフレーズを1~2個準備しておく。シェークスピアでも、ドラッカーでもいい。とにかく、英会話に自信をつけること。劣等感や卑屈な姿勢が英会話上達の“最大の敵”である。

これが、英会話上達のための「知られざる」ポイントとなる。これらに取り組めば、最初の第一歩は踏み出せると、考える。

問題解決に関する英語力には、そのほか、「論理力」、「発信力」、「リーダーシップ」などが必要となる。それらのインテグレーションにより、最大限の力を発揮できる。残りのスキルについては、まだ次回以降に述べていきたい。