飯久保廣嗣 Blog

前にも触れた、米国駐日大使に内定しているジョセ・ナイ博士は、ソフトパワーの重要性を説いている。来日が決っているヒラリー米国国務長官もこのことに言及している。

ナイ博士はこのソフトパワー以外に、“コンテクチュアル・インテリジェンス”という概念を打ち出し、これが世界のリーダー達に欠かせない要件であると説いている。

これは定義が難しいが、あえて言うとすれば、「全体像をおさえて、物事の本質を見極め、適切な判断を迅速に行うための能力」といえる。この能力を我国の心ある政治家にも備えてもらいたいものである。

ところで、最近、オバマ米大統領の選挙キャンペーンに携わった人が、日本の経済界の米国に対する姿勢に危機感を抱いている。それは、どのような背景や理由があったにせよ、日本経団連のニューヨーク事務所が最近閉鎖され、これが、日本の財界人の米国に対するメッセージであるとワシントンで受け取られていることへの危機感である。

日米が協力して直面する金融危機と未曾有の景気後退を解決するためには、日本の財界のリーダーにも、ナイ博士が提唱する“コンテクチュアル・インテリジェンス”を求めたいものである。