飯久保廣嗣 Blog
最近気になる出来事
今回は、日本で論理的思考がどのように発展を遂げてきたか、その経緯に触れたいと思います。私が言う、論理的思考とは、形式論理学に対する実践論理学を指します。つまり、問題解決や意思決定、さらにリスクへの対応をいかに効率的でラショナル(筋を通して堂々巡りせず)に展開するかを、体系的にまとめたものであります。
国の将来を憂う一国民として最近考えるのは、「正直者」、「正直であるということ」が、全く日常用語から消えてしまっているということです。
「正直」を広辞苑で引くと、「いつわりのないこと」、「正しく素直なこと」、「かげひなたのないこと」という程度の定義しか載っていません。
最近、我が国の知的業務の効率を向上するための標語として、「見える化」や「暗黙知を形式知に」といった表現が使われ始めています。それを実現するために、優秀な人材の考え方のエッセンスを共有したり、複雑な状況をシンプル化して解決する必要性が、各企業で異口同音に言われています。
ここで言う「目に見えない製品」とは、経営における「知的業務」の結果である意思決定やリスクに対する諸判断と諸対策のことです。
最近、来日した米国の友人に、「世界的に評価されていた日本製品の品質に何が起きているのか」と尋ねられました。日本では、ものづくり大学の創設など製造技術を伝承するための対策に力を入れていますが、一方で、ここ1年の間、国内外で品質問題が多発していることは確かです。
高齢化社会が進行する中、わが国の企業活力を維持するための不可欠なテーマは、40代、50代のマネージャークラスをいかに再活性するかです。現在、企業内では、様々な教育訓練が実施されています。その内容は、理念や思考技術といった普遍的なものから、製品・技術知識・技能、またリーダーシップを含む人間関係・コミュニケーション力、そして経営に関するコミットメントなどに大別できるでしょう。
先週のブログでは教育について述べましたが、政府も教育再生委員会を立ち上げるなど、教育改革に本腰を入れて乗り出しており、それは大変結構なことだと思います。しかし、一国民として知りたいのは、どうような人選基準で委員が選出されたかということです。この委員の思考や発想、発言などにより、将来の我国の教育方針が決まってしまう可能性が高く、その選ぶ際の基準は非常に重要なポイントだと思われるからです。
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